第31回(中條高徳)

「日本とは、日本人とは」

――そんな力を戴いたのだから、この辺で、日本人とは何なのか。日本という国は何なのかという確認をする必要があります。
日本という国は、国土と構成する国民で大体成り立っています。国家の役割は、領土を守り、そこに商売して生きている国民の命を守ることです。そしてあなたが汗水たらして築き上げた債権を守る役割が国家にはあるわけです。 ところが今、日本は豊かになった。豊かというのはさきほど勉強しましたが、ひとつも遠慮することはない。「ダンケシェーン、謝々、サンキュー」。神々に素直に感謝すればいい。
しかし、豊かさは、恐ろしい要素も持っているのです。私が言いたいのは、豊かさは全ての人類が目指す課題だが、不思議や不思議、辿り着いてみると目指すエネルギーが弱くなる。
エネルギーが弱くなるということは、夢を見なくなるのですね。そして、堪える力が萎えると説いています。
ですから政府がいくら手を打っても、この日本で三万二千の自殺者がいる。 そして、おじいちゃんが勉強しろと言ったら、すぐキレて孫がおじいちゃんを殺してしまう。
お母さんも、我が腹を痛めた子供を、こんなのもう理解できないけれども、橋から突き落として殺してしまう。キレる。 もう、堪える力、耐える力、これをこの時間が終わったら勉強しましょう。この課題に、挑戦しなければいけません。

しかし今日の一番の主たる課題は、この日本とはということです。それでまず領土からやりましょう。 配布したプリントにあります『この国が大小六千八百もの島からなり』という部分は絶対に覚えておいて欲しい。六千八百からなる島からなり、海岸線、リアス式海岸といえば美しいということですね。その海岸線は世界の六番目の長さです。小さい、小さい資源のない日本だけど、海岸線は世界の六番目の長さを誇る。ということは、漁業にもいいし、景色がいい。守りには大変ですけれども。 今、国際法で、二百海里の経済水域が認められています。その海岸線から二百海里のエリアをその国の領域と考えて計算してみると、その面積は国土の十二倍、国土の十二倍になります。

国土の大きさは、世界中で百九十一カ国ありますが、六十番目なのです。国土が小さい日本ですが、海洋国家といわれていて、二百海里を領土として見るなら、何と十本の中に入る、九番目になるのです。是非子供に伝えて下さい。
日本列島は、北海道から沖縄まで縦に長い。北で雪が降っているのに、沖縄は真夏ぐらいです。長いということは、国家の条件としては、もの凄い財産ですね。 これまで夏
だ。暑かった。それが今日は秋の風ではないですか。そして今朝NHKでも、パラグライダーというもので、上高地の秋の紅葉の映像を流していた。そういう秋が来る。秋が過ぎたら、やがて雪の、あの寒い冬が来る。しかし冬になっても、永久にツンドラではない。やがて必ず芽が吹く春が来る。

この四季も、日本を日本たらしめている一つなのです。そうでなかったら、俳句というものは生まれていません。そして日本の、世界に誇る文学というものも、大方生まれていません。四季に恵まれているということを、日本の子供達が、どれほど誇りに意識しているのでしょうか。大変な財産、大変な財産ですね。 そして日本は、色々調べてみると、その昔、大陸と繋がっていたという。それはそうであったかも知れない。そうだったとしても何万年も何十万年前の話です。島に生きてきたら、みんな日本人になってきます。ほぼ同一民族であるというのは、世界の近代国家の中でも珍しいことです。 そして、今は、家族ばらばらで育った人が多いと思うのですが、日本は概ね、大家族でした。

僕らのところは、全部大きな家でした。奥の座敷十八畳、中の座敷十八畳、前の座敷十八畳、その沿いが十畳もある。その間全然壁一つなくて大きな襖がある。要するに学校がなかった時、学校代わりにこの広間を使っていたのです。

そこで、まず縦軸をお話しましょう。皆さん、生まれた時に、お婆ちゃんと一緒に生活した人いますか。随分いますね、頼もしい。だから今日、勉強に来ているのですね。
一緒にいると概ねお婆ちゃんの役割ですね。先祖を大切にする、先祖に恥をかくようなことをしちゃいけませんよ、そんなことをしたら子孫に笑われますわよ。
こうやって、縦軸が構築されるのです。そういっているお婆さん、お母さんも、いつの間にか自分の子が結婚し、孫が結婚すれば子孫になってきて、自分の先祖の縦軸に入ってくる。そんなこと意識しているのではなくて、必ずこの国の家族達は大家族で一緒にいたからなのですね。お墓を粗末にした人は滅びる。お墓はちゃんとしなければいけない。全部、縦軸の構築なのです。縦軸の。――

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「日本とは、日本人とは」(PDF:107KB)

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