第5回(その1)(田村重信)

「聖徳太子の憲法17条」

――まず、『論語』の「学而第一」にあります一節を紹介します。

「有子(ゆうし)曰く、礼の用は和を貴(たっと)しと為す。先王(せんおう)の道も、斯(これ)を美と為す。小大(しょうだい)之(これ)に由(よ)れば、行(おこな)はざる所あり。和を知りて和すれども、礼を以て之を節(せつ)せざれば、亦(また)行(おこな)はるべからずと」

通釈は、有子が言うことに、「礼の活用にあたっては、まず和すなわち調和というのが最も大切。古代の聖人のやり方の美しさというものも、実はこの和のよろしきを得たからです。 しかし、世の中の大事にしても、小事にしても、この和だけによって物事を処理しようとすると、どうしてもうまくいかない。だから、和の大切さも知って、和らぐを計っても、礼すなわち礼儀作法はもとより法制、秩序、社会規範などでもって適当に節度を加えていかないと、これまた諸事がうまく処理されないのである。」ということです。

これは「礼」の重要性を説いたもので、和は礼を行う上で大切な徳である。
しかし、和を貴しとなすとは、つまり「他人に譲る心を持ちなさい。しかし、それだけではなく、調和、助け合いの心、他人を思いやる心も大切である」ということです。

今日は、「聖徳太子の一七条憲法」と題して、お話をさせて頂きますが、一七条憲法の第一条に「和を以って貴しと為す」という文言が書かれています。つまり、この言葉は『論語』から来ているわけです。
では早速、本題に入りますが、まず、聖徳太子の人物像、それから当時の国内外の背景からお話させて頂きたいと思います。――

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「聖徳太子の17条憲法」(PDF:478KB)

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