田坂富代:「歴史に学ぶ・日本の開国と伊豆下田の関係」
今月の一節
子曰はく、故きを温(たづ)ねて新しきを知れば、以て師となるべし。
ふるく学んだ所を習熟して新たに悟る所があるようになれば、学んだ所の事が我が物となって、無窮(むきゅう)の事柄に応ずることができるから、人の師となる資格がある。
・宇野哲人著『論語新釈(講談社学術文庫)』
何事にもあれ、過去をたどり、それを十分に消化して、それから、未来に対する新しい思考、方法を見つけるべきだ。
「温故知新(おんこちしん)」ともいう。現在は過去なくしては存在しない。しかし、過去だけにとらわれては新しい世界は展(ひら)けない。過去を無視し去って、ただ新しきにつくのもまた、失敗を招くものである。
・諸橋轍次著『中国古典名言事典(講談社学術文庫)』
孔子が言った。「先人が教えている学説などをしっかりと学び取り、探求しながら、そこから現代にふさわしい新しい発見が出来るようになれば、人の師となることが出来る。」
・緑川佑介著『孔子の一生と論語(明治書院)』
論語研究会という学び場について
今回の素読テキストは3つの解説を並べての紹介となりました。
同じ文でも、その解釈や受け止め方が広がるのが論語の妙味です。
今月は初めて参加される方も多い事から、代表幹事・田村による会の概要説明から始まりました。
冒頭、事務連絡と今後の予定を案内し、次に田村のリードによる論語の素読と解説を行います。
論語はあくまでも学びの入り口として、その後、講師の講演に耳を傾けます。
そして、その日の講義で感じたものを、個々に役立てていただく。
それが日本論語研究会の学びのスタイルです。
相馬雪香さん(尾崎行雄・三女)の遺徳を継ぐひとりとして
今回講師を務めて頂いた、静岡県・下田市議会議員の田坂富代先生。
元々は会の仲間に紹介され、昨年はじめて論語研究会に足を運び続けてくださる、もっとも熱心な仲間の一人です。
毎回、静岡県から東京まで電車を乗り継ぎ、慶應義塾まで足を運んでくださいます。
「地元・下田について勉強し、それを皆に披露してほしい」
今回の講演は黒船が来航した地元・下田市の開国の歴史について語って頂きました。
昨年5月、講師として登壇いただいた石田尊昭・尾崎行雄記念財団事務局長。
そのご縁もあり、日本論語研究会は代表幹事の田村が財団の運営による政治経済塾
「咢堂塾」の講師を務めるなど交流が盛んです。
田坂市議は同塾の初代塾長・相馬雪香さん(尾崎行雄・三女)の元で行動学を学び、その実践として自治体の政治運営に携わっています。
「相馬先生の遺徳を受け継ぐ」という思い、そしてその発露として故郷である静岡県・伊豆下田から日本を支えるという熱い思い。
ふたつの思いをもって、80分じっくりとお話し頂きました。
(各画像をクリックすると拡大します)
次は、あなたの番
日本論語研究会は、外部から著名な講師をお迎えするだけでなく、共に学ぶ仲間の研鑽の成果を発表する場でもあります。
今回の田坂市議は、郷土の歴史研究、そしてゆかりある儒学者、自身の「論語の精神」と向かい合った成果をいかんなく発表頂きました。
皆が生徒であり、そして誰もが互いの師でもある。
それが、日本論語研究会です。
こんど教壇で学びの成果を発表していただくのは、ご縁あって会場に足を運んでくださった「あなた」かも知れません。
ぜひ、その機会が訪れることを私たちも望んでお待ちしています。
講演動画
講師による講演動画全編をYoutubeにて配信中です。
各サムネイルをクリックして視聴いただけます、参加された方は復習に、初めてホームページを訪れて下さった方は次回参加の参考にご覧ください。
講師の関連情報
今回の講師を務めて頂いた田坂市議の関連情報は、以下のURLでご覧いただけます。