前田克己:「土俵の鬼 初代 若乃花の相撲道と私」
今月の一節「約を以て」
子曰はく、約を以て之を失ふ者は鮮(すくな)し。
人は放逸に流れると過失があるが、心を引きしめて法度(ほうど)を守れば過失は少ない。
・宇野哲人著『論語新釈(講談社学術文庫)』
「土俵の鬼」その一番弟子が受け継いだもの
10月2度目の開催となる今回は「株式会社 間口」代表の前田克己様より「土俵の鬼」の異名をとる初代・若乃花関や相撲にまつわるお話を頂きました。
国技としてのみならず、神事としての相撲のルーツや実体験を踏まえ分かり易く解説頂きました。
普段私たちが何気なく用いる言葉にも、相撲に由来するものが沢山あります。
「序の口」
「間合い」
「仕切り」
「千秋楽」
論語と相撲の意外な接点の多さに、教室からも驚きの声が上がりました。
自らの土俵経験から培った「ここ一番の時の、気合の入れ方」についても披露頂きました。
臍下丹田(せいかたんでん)に力を込めて、全ての意識を集中します。
69連勝を誇った不世出の横綱・双葉山関のエピソードとして有名な「木鶏」についてもお話頂きました。当会ともご縁の深い碩学・安岡正篤師が双葉山関に送った言葉、その由来は古事成語に端を発するものでした。
相撲の心構えとして有名な「心・技・体」についても、自らの経験を踏まえた解説を頂きました。
「心を練れ」
「技を磨け」
「体を鍛え」。
笑いあり涙あり、あっという間の90分でした。
当日の講演ハイライト
前田代表の講演動画(ハイライト)はYoutubeでご覧いただけます。
終盤に披露頂いた「相撲甚句」はぜひともお聴き下さい。
教室で直に耳を傾けた参加者からは「身体が震えた」「懐かしさが込み上げる」などの声が寄せられました。