村松勝康:「80センチに咲く花」
今月の一節
子曰く、「君子は人の美を成して、人の悪を成さず。小人は是に反す。」と。
孔子が言った。「君子は人に対してそのよい点は伸びるように、悪い点は抑えるようにしてやる。ところが、小人はこれと反対のことをするものだ。」
緑川佑介著『孔子の一生と論語(明治書院刊)』
「オラーの母ちゃんは、えらいんだなあ」
長らく工事が続いていた南校舎が今春完成し、今回の会場は初めての南校舎です。
今回の日本論語研究会は葛飾区議・村松勝康先生を講師にお招きし開催されました。
今回の演題は、村松先生の著作タイトルでもある『80センチに咲く花』。
まだ新しい教室で、事前に事務局・高橋と打ち合わせ。
今年初頭に初めて村松先生にお会いして以来、常に「同じ目線で会話したい」と村松先生の視点で段取りを確認します。
会の冒頭は、いつものように代表幹事・田村のリードによる論語の素読。
題材は毎回田村が自ら選んでいますが、今回読み上げたのは次の一節。
子曰く、「君子は人の美を成して、人の悪を成さず。小人は是に反す。」と。
今回のテーマを象徴する一節です。
さて、今回の村松先生の講演ですが、全国を講演で忙しく飛び回るいつものスタイルになぞらえて入場テーマを掛けながらスタート。
各地の講演では、田村の歌『日本を美しく!』をテーマ曲に入場いただいているとのこと。
本編の講演では、幼い頃からの体験談を語って頂きました。
1歳の時に大病を患いながらも、快活なお話で聴講者を一気に引き寄せます。
高熱の影響で、身体全体が弛緩してしまう様をぬいぐるみで説明頂いたり
幼い頃、近所まで這って歩いた際、両手にはめていた靴を披露頂いたり
中学に進む際に使用した装具も公開頂きました。
また今回は、母・ミヨさんに贈られた表彰状を特別に公開いただきました。
表彰状
四年 勝康 母
村松ミヨ
貴女は肢体不自由の子、勝康君を就学させるため
昭和二十七年入学以来、家庭的な不遇苦難のうちにありながら
風雲にもめげず寒暑をも厭わず
汗にまみれて我子を送り迎えした
かくして母子共に学校に通うこと三年
勝康君もどうやら自力で通える四年生となり
不自由な者にありがちな卑屈さもなく
極めて素直な日々を送って居ることです
これは全く母なる貴女の深い愛情の然しむるところであり
学童を持つ世の母の亀鑑と考えられるものであります
依ってここに八十周年の盛典を卜(ぼく)し表彰致します
昭和三十年十月五日
早口町教育委員会
今回の講演は、村松先生が代表幹事・田村のツイッター書評を見つけた事から交流が始まり、そのご縁で実現しました。
どんな時も笑顔を絶やさない村松先生、その元気の源となったのは、冒頭の論語の一節でも触れた母・ミヨさんの深い愛情でした。
「君子は人に対してそのよい点は伸びるように、悪い点は抑えるようにしてやる。」
まさに、ミヨさんの育て方そのものです。
当日の講演動画
講師の著作
今回の講演でも触れていただいた村松先生の本はAmazonでもお求めいただけます。
渡辺次長の開催後記
久し振りに再開した渡辺豪士・論語研究会事務局次長による「開催後記」。
前回に続き、同じく事務局の高橋との対談になります。
高橋は今回の講師を務められた村松先生と同じ、秋田の出身です。