桜林美佐:
朗読「拉孟に散った花」
今月の一節
子曰く、「人の己を知らざるを患(うれ)えず。人を知らざるを患う。」と。
→孔子が言った。「他人が自分の学徳などを理解してくれないのを心配すべきではない。しかし、他人の本当の価値や人格などに気付かない自分を心配する。」 (学而第一)
子游 孝を問う。子曰く、「今の孝は、是能(よ)く養うことを謂う。犬馬に至るまで、皆能く養うこと有り。敬せずんば、何を持って別たんや。」と。
→子游が、孝行について尋ねた。孔子が言う。「最近の孝行というのは、よく親を養えばよい事を言うようだ。しかし、犬や馬でも、それを飼う時は、能く養っている。親を敬愛する心が無かったら、何で親と犬や馬とを区別出来るのか。親に対しては敬愛の心が大切なのだ。」(為政第二)
(出典:『孔子の一生と論語』(緑川佑介著/明治書院))
2010年、論語研究会は新たな展開へ
代表幹事・田村による論語の素読から始まり、今回は多くのお知らせがありました。
まず最初に、今回より日本論語研究会は資料代も申し受けない「参加費の完全無料化」に踏み切りました。今後は参加される皆様の志が最大唯一の原資になります、一層のご声援をいただけます様お願い申し上げます。
6年目を迎え、論語研究会は更に活動のフィールドを広げて参ります。
日本代表企業トヨタ・その原点を共に学ぶ
さて、今回登壇いただいた桜林美佐(さくらばやし・みさ)先生ですが、作家や安全保障のジャーナリストとして活躍される傍ら、ラジオ番組の制作や朗読など多彩な活躍でお忙しい中、論語研究会に駆け付けて戴きました。
冒頭はジャーナリストとして最近注目している「防衛産業」にスポットを当て、更にはトヨタ、ゴムマットの製造メーカーの話など日頃の丹念な取材の報告を冒頭紹介頂きました。
国内屈指の自動車メーカーとして世界的にも有名なトヨタですが、そのルーツが機(はた)織り機なのは多くの方が知るところですが、「ならば、なぜ機織り機から自動車へ?」といった、一見見逃しがちなポイントを、『親子で学ぶ偉人伝』を底本にジャーナリストの視点で分かり易く解説いただきました。大工であった父・伊吉からの遺言で転じた自動車産業のお話を掘り起こして戴きました。論語の精神に基づく「縦軸」や、の原点を大切にして欲しい思いなど、取材経験を踏まえて披瀝いただきました。
教室に「語り部の神」が舞い降りる
そしていよいよ、お待ちかねの「ひとり語り」へ。
開催に当り、桜林先生からは次のコメントを寄せて戴きました。
――大学時代に所属していたサークル「朗読研究会」で、ラジオドラマの草分け脚本家の西澤實(にしざわみのる)に師事し、「語り」のいろはを学びました。
卒業後も仕事の傍ら朗読会の参加など活動を続け、やがて自分自身で脚本を書き、その作品を披露する創作朗読ライブ「ひとり語りの会」を展開するようになりました。主に、国のために戦った(戦っている)人々のエピソードを、史実にもとづいて物語にしています。
『拉孟(らもう)に散った花』はその作品のうちの一つです。中国とミャンマーの国境付近で玉砕した拉孟守備隊の奮闘、そして彼らと運命を共にした慰安婦の女性たちを描いています。
「ひとり語りの会」は、しばらく活動を休止しておりますが、今回のような機会にお一人でも多くの皆様に聴いて頂ければ、まことに幸いです。拙い語りではございますが、どうぞ、最後までお付き合い下さいますよう、よろしくお願い申し上げます。
平成22年2月20日
桜 林 美 佐
論語研究会始まって以来、始めて会場の照明を落として幕が開きました。今回は論語研究会はじまって以来、初の特設サイトを設けましたのでアクセス頂けると幸いです。
『拉孟に散った花』特設サイト
当日の動画ハイライト
桜林先生の書籍一覧
会場でも紹介しましたが、桜林美佐先生の著作は以下の通りです。
いずれもAmazonでお求め頂けますので是非ともアクセスください、またいずれの作品も靖國神社・偕行文庫(http://www.yasukuni.or.jp/archives/)でも閲覧いただけます。